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一生経済的に弟のテオに頼ったゴッホは「弟はお金はくれたが妻はくれなかった」と甘ったれ愚痴をこぼします。アンリ・ルソーは法廷内で「裁判長、奥さんの絵を描いて差しあげます」と大声を上げます。そしてクリムトはモデルに「君のお尻は美しいし知的だ」と語ります。これらの言葉はいわゆる名言格言というより、傑作な迷言とでも言えるものでしょう。芸術家たちはこうしたユニークで笑わせる迷言が好きなようです。

さらに「この芸術家がどうしてこんな絵を？」といった不思議な絵や奇怪な作品を集めてみました。この本は16人芸術家たちのヘンな絵画やヘンな言葉を、そのエピソードを交えながら語る物語です。

採りあげた絵は改作も含めて66作品。また16人の名言・迷言は「マネの真似じゃなくてモネはモネの絵を描きたい」（マネ）、「裁判長、奥さんの絵を描いて差しあげます」（ルソー）、「無職とは何だ？私は画家なんだ」（ゴーギャン）、「弟はお金はくれたが妻を与えてはくれなかった」（ゴッホ）、「君のお尻は美しいし知的だ」（クリムト）、「ぼくは娼館に居る時が一番くつろげた」（ロートレック）、「ここにムンクはいません」（ムンク）、「私はいま何も着ないまま寝ています」（カミーユ・クローデル）、「妻が墓までついて来てくれれば、ぼくは天国で最愛のモデルを手に入れられる」（モディリアーニ）、「俺から去った女はいない。それは砂漠で暮らすようなもの」（ピカソ）、「死ぬ時は白いドレスで赤い薔薇と恋文を胸に抱かせてね」（ローランサン）、「ぼくたちは自由に飛び回れるのだよ」（シャガール）、「私はこの絵の人物のようにありふれた人間さ」（マグリット）、「吾輩はプレゼントが大好きなのであ～る」（ダリ）、「カエルとハトの赤ちゃんが出来るのだわ」（フリーダ・カーロ）、「笑わせるなよ。笑うと苦しいんだ」（ウォーホル）など150の言葉です。